課題(相談内容および労務管理状況)
真面目に働いていた従業員から突然
「過去二年間の残業時間に対して、残業手当が少ないので支払ってください」と言われました。
支払いがないと、労働基準監督署に報告するとのことで、対応に困っています。
ご提案内容
従業員が主張する労働時間が間違っている可能性がありますので、
- 過去のタイムカードを確認し残業が本当にあったのか
- 残業の申請をせずに勝手に行っていなかったのか
- 残業があったとしても主張している残業時間が正しいのか
順番に精査をしていきましょう。
過去の判例に「勤務時間中に毎日1時間は喫煙休憩を勝手に取得していた為、その時間は未払い残業代の計算から除外された事例」があります。
解決後の結果
従業員から請求された金額から減額することはできたが、一部未払い残業があったことが発覚したため、その金額を従業員に支払い、納得をしてもらった。
日々の労働時間管理ができていなければ、同様の問題が将来起こり得るため、今後の労務管理体制を見直していただいた。
本件に対する社会保険労務士のポイント解説
未払い残業請求を事前に防止するために
- 勤怠システムを使い日々の労働時間を可視化する
- 中抜けする時間がある場合は休憩時間としてカウントするルールを作る
- 残業する際は上長の許可制にするなど勝手な残業を認めない
などが効果的だと考えられます。日々の労務管理の参考にしていただければ幸いです。
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