課題(相談内容および労務管理状況)
22~24時の深夜帯の時間で、シフトを組む従業員がいます。
その場合、該当従業員から有給休暇申請が合った場合は、深夜割増分も支払いが必要なのでしょうか?
ご提案内容
警備業等、一般的に深夜労働が常態化している場合、その深夜労働自体が所定労働時間と考えられます。
そのため、深夜に働く方が年次有給休暇を取得した場合は、深夜割増分も含んで賃金を支払うことをおすすめします。
解決後の結果
深夜勤務が常態化しているので深夜割増分を含めて有給単価を計算し、支給いただいた。
本件に対する社会保険労務士のポイント解説
過去の判例によると、
時間外労働及び深夜労働に対して割増賃金を支払う趣旨は,時間外労働が通常の労働時間に付加された特別の労働であり,深夜労働も時間帯の点で特別の負担を伴う労働であることから,それらの負担に対する一定額の補償をすることにあると解される。年次有給休暇を取得した場合,実際にはそのような負担は発生していないことからすれば,年次有給休暇を取得した場合に,所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金としては,割増賃金は含まれず,所定労働時間分の基本賃金が支払われれば足りると解される。
日本エイ・ティー・エム事件(東京地裁令和2年2月19日・労経速2420号23頁)
とされているケースもあります。
今回のケースでは
- 労働として常態化されているか?
- 従業員に負担が発生していないか?
- 経営者として従業員の負担を軽減していきたいか?
などを考慮した結果でのご提案をしております。
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