課題(相談内容および労務管理状況)
1日の労働時間が決まっていないパート社員がいます。
例えば月曜日は3時間、火曜日は5時間、金曜日は7時間のように、日によって労働時間が異なる場合は、有給休暇を取得した際何時間分の給与を支払えばよいのでしょうか?
ご提案内容
シフトが決まっているのであれば、勤務予定であった時間分の給与を支給することが一般的です。
ただし、場合によってはその他の計算方法で金額を算出することがありますので、就業規則を確認しておきましょう。
解決後の結果
就業規則を確認したところ
「パートやアルバイトなど、1日の労働時間が異なる場合にはその日の労働時間分を賃金の支払い対象とする」と定められていたため、シフトで定められていた時間分を支払う運用を実施。
本件に対する社会保険労務士のポイント解説
年次有給休暇を取得した場合の賃金の支払い方法は、
- 通常支払うべき賃金 ……パートタイマーの場合はシフトで決まっている時間数
- 平均賃金 ……過去3ヶ月間にその労働者へ支払われた賃金の総額 ÷ その期間の総日数
- 健康保険法上の標準月額報酬日額の相当額
の3つのパターンがあります。
多くの企業では「通常支払うべき賃金」で計算するとして就業規則に定められていることが多いかと考えられますが、自社の規定とは異なる運用をしてしまうとトラブルにつながりますので、注意をしてください。
また、今回のご相談のようにパート社員の場合は「時給×労働時間」で給与を支払うことが一般的なため
- 経営者目線:休むのだから、給与の金額は抑えたい
- 従業員目線:有給休暇を取るのであれば、給与が少しでも増える日に取りたい
と考えることが多いかもしれません。トラブルを未然に防止するためにも、年次有給休暇を取得した日の賃金については就業規則を確認しておきましょう。
社会保険労務士法人ステディでは
- 実際の働き方を勘案した就業規則の制度構築
- 労使間における納得度の高い社内ルールの策定
に強みを持っていますので、パート社員への有給休暇付与に少しでもお困り事がありましたらお気軽に相談ください。
この記事の執筆者

その他の記事
残業2023.01.12残業単価に含まれる手当とは
10名以上50名未満2023.01.12副業や兼業を行う従業員の残業代について
残業2023.01.12みなし残業制度の導入は従業員一律にする必要があるのか
社会保険2023.01.12短時間労働になった従業員の社会保険の取り扱いについて