36協定の提出方法と提出期限|窓口・郵送・電子申請の手順を実務向けに解説 

  1. Home
  2. /
  3. ニュース一覧
  4. /
  5. 36協定の提出方法と提出期限|窓口・郵送・電子申請の手順を実務向けに解説 

36協定を提出する必要があるものの、「いつまでに出せばよいのか」「窓口・郵送・電子申請のどれを選ぶべきか」と迷う経営者や人事労務担当者の方もおられるのではないでしょうか。

36協定には全国共通の提出日が決められているわけではなく、原則として協定の有効期間が始まる前に、事業場を管轄する労働基準監督署へ届け出る必要があります。

提出が遅れると、届出前の時間外労働や休日労働に36協定の効力が及ばないため、更新時期を含めた期限管理が重要です。

この記事では、36協定の提出期限をはじめ、提出先、窓口・郵送・電子申請それぞれの手順、複数事業場がある場合の対応、提出が遅れたときの対処法まで、実務の流れに沿ってわかりやすく解説します。

36協定の提出期限は有効期間が始まる前

36協定の提出期限は、すべての会社に共通する「毎年○月○日」と決められているわけではありません。

会社が36協定に定めた有効期間の開始日によって、提出すべき時期が変わります。経営者や人事労務担当者は、協定の締結だけでなく、所轄の労働基準監督署への届出までを有効期間の開始前に済ませておく必要があります。

36協定に一律の提出日は定められていない

36協定の提出時期は、それぞれの事業場が設定する有効期間を基準に判断します。

たとえば、有効期間を4月1日から翌年3月31日までとする場合は、3月中に労使協定の締結と届出を完了させるのが基本的な動きとなります。

「36協定は毎年3月31日までに提出する」と説明されることがありますが、これは4月1日を有効期間の開始日としている会社が多いためです。有効期間が1月1日から始まる会社であれば、前年12月中に提出する必要があります。

提出期限を確認するときは、前年度の36協定届の控えを用意し、「協定の有効期間」と「時間外労働を延長することができる期間の起算日」を確認しましょう。事業場ごとに開始日が異なる場合は、それぞれの期限を個別に管理しなければなりません。

時間外労働をさせる前に届出を完了させる

36協定は、労使間で合意して書類を作成しただけでは、時間外労働や休日労働をさせるための効力が生じません。

事業場を管轄する労働基準監督署へ届け出た後に、協定の範囲内で法定時間外労働や法定休日労働をさせられるようになります。

そのため、有効期間が始まってから提出した場合、提出前の期間に行われた法定時間外労働や法定休日労働には、36協定の効力が及びません。提出日を過去の日付にして、効力をさかのぼらせることもできないため注意が必要です。

年度末は届出が集中しやすく、書類に不備があると修正や再提出が必要になることもあります。有効期間の開始直前ではなく、少なくとも数週間前から準備を始めると安心です。

有効期間は1年間を基本に毎年更新する

36協定は一度提出すれば継続して使えるものではありません。

実務では有効期間を1年間に設定し、期間が終了する前に労使で改めて協定を締結して、次年度分を届け出る運用が基本です。

更新業務では、前年の書類をそのまま提出するのではなく、対象業務、労働者数、残業が必要となる具体的な理由、延長できる時間数などを見直します。労働者の過半数代表者についても、適正な手続きで選出し直す必要があります。

更新漏れを防ぐには、有効期間の開始日を社内の労務管理カレンダーへ登録し、2〜3か月前に担当者へ通知される仕組みを整えておくことが大切です。

36協定を提出するまでの流れ

36協定は、届出書に必要事項を記入して提出するだけの手続きではありません。

事業場の労働時間を確認したうえで、労働者代表の選出、労使協定の締結、届出書の作成、労働基準監督署への提出という順番で進めます。

手続きに不備があると、36協定を届け出ていても有効と認められない可能性があります。提出期限から逆算し、余裕を持って準備しましょう。

手順1|対象となる事業場と労働時間を確認する

はじめに、36協定が必要となる事業場を確認します。法定労働時間である1日8時間・週40時間を超えて働かせる場合や、法定休日に働かせる場合は、原則として36協定の締結と届出が必要です。

36協定は会社全体ではなく、支店、店舗、工場、営業所などの事業場単位で締結・届出を行うのが基本です。本社で一括して労務管理をしていても、それぞれの事業場について対象業務や労働者数、時間外労働の見込みを整理します。

あわせて、時間外労働が原則的な上限の範囲に収まるかを確認しましょう。臨時的な特別の事情により上限を超える可能性がある場合は、特別条項付き36協定の検討が必要です。

手順2|労働者の過半数代表者を適正に選出する

事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は、36協定を締結するための過半数代表者を選出します。

過半数代表者は、管理監督者ではない労働者のなかから、投票や挙手など、労働者の意思が反映される方法で選ばなければなりません。会社が特定の従業員を一方的に指名したり、親睦会の代表者を自動的に選任したりする方法は適切ではありません。

選出時には、「36協定を締結する過半数代表者を選ぶための手続き」であることを労働者へ明示します。選出方法や実施日、候補者、結果を記録として残しておくと、後から手続きの適正性を確認しやすくなります。

手順3|労使で36協定を締結する

使用者と労働者側の代表者で、時間外労働や休日労働に関する内容を協議し、書面で協定を締結します。

主に定める内容は、次のとおりです。

  • 時間外労働や休日労働をさせる具体的な理由
  • 対象となる業務の種類と労働者数
  • 1日、1か月、1年間に延長できる時間
  • 休日労働をさせる日数や時間帯
  • 協定の有効期間と起算日

前年の協定内容をそのまま転記するのではなく、直近の残業実績や繁忙期、業務体制を確認して設定することが重要です。

手順4|適切な様式で36協定届を作成する

一般的な業種で特別条項を設けない場合は「様式第9号」、特別条項を設ける場合は「様式第9号の2」を使用します。

建設事業、自動車運転者、医師、新技術・新商品などの研究開発業務には、それぞれ専用の様式があります。

業種や業務に合わない様式を使用すると修正が必要になるため、厚生労働省または労働局の公式サイトから最新の様式を取得しましょう。

手順5|労働基準監督署へ提出する

作成した36協定届は、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。

提出方法は、窓口への持参、郵送、電子申請の3つです。

提出後は、受付印のある控えや電子公文書など、届出が完了したことを確認できる資料を保存します。複数の事業場がある会社では、事業場名、有効期間、提出日、提出方法を一覧で管理すると更新漏れを防ぎやすくなります。

手順6|協定内容を労働者へ周知する

36協定は、労働基準監督署へ提出して終わりではありません。

常時見やすい場所への掲示や備え付け、書面の交付、社内システムへの掲載などの方法で、労働者が内容を確認できる状態にします。

管理職にも協定の上限時間や対象業務を共有し、締結した範囲を超える時間外労働が発生しないよう、勤怠管理とあわせて運用することが大切です。

36協定の提出先は事業場を管轄する労働基準監督署

36協定届は、原則として会社の本店所在地ではなく、対象となる事業場の所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。本社以外に支店や店舗、工場などがある会社は、提出先を取り違えないよう注意が必要です。

特に複数の都道府県や市区町村に拠点がある場合は、事業場ごとに管轄する労働基準監督署を確認しましょう。

会社単位ではなく事業場単位で提出するのが原則

36協定は、会社全体ではなく、工場、支店、営業所、店舗などの事業場単位で締結・届出を行うのが原則です。そのため、本社と支店が別の事業場に該当する場合は、それぞれの事業場で労働者代表を選出し、36協定を締結します。

たとえば、東京都に本社、大阪府に支店がある会社では、通常、本社分は本社所在地を管轄する労働基準監督署へ、大阪支店分は支店所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。

本社の人事部がすべての届出書を作成していても、提出先まで本社の管轄署に統一できるとは限りません。

ただし、一定の要件を満たす場合は、本社を管轄する労働基準監督署への一括届出を利用できます。本社一括届出を行わない場合は、各事業場の所在地を基準に提出先を判断してください。

事業場を移転した場合は提出先を再確認する

事業場を移転した場合は、移転後の所在地を管轄する労働基準監督署を確認します。市区町村をまたぐ移転だけでなく、同じ市内での移転でも管轄署が変わる可能性があるため注意しましょう。

36協定の有効期間中に移転した場合は、事業場としての同一性や移転時期によって必要な対応が異なることがあります。移転前後の住所、有効期間、移転日を整理したうえで、移転前または移転後の労働基準監督署へ確認するのが確実です。

複数拠点を管理している会社では、事業場名、住所、管轄署名、36協定の有効期間、提出日を一覧にしておくと、誤提出や更新漏れを防ぎやすくなります。

36協定を提出する3つの方法

36協定届は、労働基準監督署の窓口への持参、郵送、電子申請のいずれかで提出できます。

どの方法を選んでも36協定の効力に違いはありませんが、準備するものや控えの受け取り方が異なります。

初めて提出する場合は窓口、来署する時間を確保できない場合は郵送、毎年の更新や複数事業場の管理を効率化したい場合は電子申請が選択肢になります。

労働基準監督署の窓口へ持参する方法

事業場を管轄する労働基準監督署の窓口へ、作成した36協定届を持参する方法です。会社で保管する控えが必要な場合は、提出用の原本と控えを用意します。

窓口では、その場で記載内容について相談できる場合があるため、初めて36協定を提出する会社や、使用する様式に不安がある担当者に向いています。ただし、年度末は窓口が混み合う可能性があるため、有効期間の開始直前に提出するのは避けましょう。

郵送で提出する方法

36協定届は、事業場を管轄する労働基準監督署へ郵送することも可能です。控えの返送を希望する場合は、一般的に次のものを同封します。

  • 提出用の36協定届
  • 会社保管用の控え
  • 切手を貼り、返送先を記載した返信用封筒
  • 同封書類と部数を記載した送付状

書類の到着や返送には日数がかかるため、有効期間の開始日から逆算して余裕を持って発送します。発送記録を残したい場合は、追跡できる郵送方法を利用すると管理しやすくなります。

電子申請で提出する方法

電子申請を利用すれば、労働基準監督署へ出向いたり書類を郵送したりする必要がありません。

36協定届は、e-Gov電子申請または厚生労働省の「確かめよう労働条件」にある電子申請様式作成支援ツールから申請できます。

作成支援ツールには、届出先となる労働基準監督署の自動選択、前回データの複写、次回提出時のリマインド、複数の届出の一括申請を支援する機能があります。毎年更新する会社や、支店・店舗を複数管理している会社に適した方法です。

申請後は手続き状況を確認し、受け取った電子公文書や申請データを社内で保存しましょう。

窓口・郵送・電子申請の違い

それぞれの特徴を整理すると、次のとおりです。

提出方法メリット主な注意点向いている会社
窓口記載内容を相談しやすい移動や待ち時間が発生する初めて提出する会社
郵送電子申請の準備が不要到着と控えの返送に日数がかかる届出件数が少ない会社
電子申請来署不要でデータを管理しやすいアカウントなどの事前準備が必要拠点数が多い会社

どの方法を選ぶ場合も、重要なのは有効期間の開始前に届出を済ませることです。提出期限の直前に慌てないよう、自社の拠点数や管理体制に合った方法を決めておきましょう。

36協定を電子申請する手順

36協定届は、e-Govまたは厚生労働省の電子申請様式作成支援ツールからオンラインで提出できます。窓口への持参や郵送が不要になるため、毎年提出する会社や複数の事業場を管理する会社に適した方法です。

電子申請は入力して送信すれば終わりではありません。申請後に処理状況を確認し、受付済みの電子公文書などを保存するところまで対応しましょう。

電子申請を始める前に必要な情報を準備する

電子申請をスムーズに進めるため、前年の36協定届や今回締結した協定内容を手元に用意します。電子申請様式作成支援ツールを利用する場合は、GビズIDまたは同ツールのアカウントによるログインが必要です。

申請前に、主に次の情報を整理しておきましょう。

  • 事業場の名称、所在地、電話番号
  • 労働保険番号と法人番号
  • 対象業務と労働者数
  • 時間外労働や休日労働が必要となる具体的な理由
  • 延長できる時間数と起算日
  • 協定の有効期間
  • 労働者代表の氏名、選出方法、協定成立年月日

特別条項を設ける場合は、限度時間を超えて労働させる具体的な事情や回数、健康福祉確保措置なども確認しておきます。

申請する36協定届の手続きを選択する

電子申請では、一般条項か特別条項付きか、各事業場単位の届出か本社一括届出かによって選択する手続きが異なります。

自社の協定内容に合う手続きを選び、入力を開始します。

電子申請様式作成支援ツールでは、事業場の所在地をもとに届出先の労働基準監督署が自動で選択されます。内容の異なる複数の協定届をまとめて申請する機能や、前回の入力内容を複写する機能も利用できます。

36協定届の内容を入力して申請する

申請画面に沿って、事業場情報、時間外労働の理由、対象業務、労働者数、延長時間、有効期間などを入力します。入力内容は、労使で締結した協定と一致させなければなりません。

ツール外で作成した協定書や届出書を使用する場合は、必要な電子ファイルを添付します。入力漏れや数値の誤りがないか確認したうえで申請してください。

申請後に処理状況を確認する

申請を送信した後は、申請番号や到達状況を確認します。送信しただけで手続きが完了したと判断せず、受付や審査の状況を定期的に確認しましょう。

3月中旬から月末にかけては36協定届の電子申請が集中し、処理に時間がかかる場合があります。4月1日から新しい協定を適用する会社は、年度末を避けて早めに申請することを推奨いたします。

電子公文書と申請データを保存する

手続きが完了したら、交付された電子公文書や申請データをダウンロードし、会社の控えとして保存します。保存するときは、事業場名、有効期間、申請日が分かるファイル名を付けると管理しやすいでしょう。

電子申請様式作成支援ツールでは、過去の入力データを次年度以降に再利用できます。ただし、前年の内容をそのまま提出せず、労働者数や時間外労働の理由、上限時間などを毎年見直しましょう。

36協定の提出が遅れた場合の対応

36協定の提出忘れに気づいた場合は、放置せず、速やかに労使協定の締結状況を確認して所轄の労働基準監督署へ届け出ます。ただし、提出後に手続きを整えても、未届だった期間まで36協定の効力をさかのぼらせることはできません。

未届期間中に法定時間外労働や法定休日労働が発生している場合は、勤務実績や割増賃金の支払い状況も確認し、必要に応じて労働基準監督署や社会保険労務士へ相談しましょう。

気づいた時点で速やかに届出を行う

提出忘れが判明したら、まず現在の36協定の有効期間と、労使間で協定を締結しているかを確認します。有効な協定がない場合は、適正な方法で労働者代表を選出し、協定内容を合意したうえで届出書を作成してください。

届出が完了するまでは、原則として法定労働時間を超える労働や法定休日の労働を命じないよう、勤務体制を調整する必要があります。単に書類を急いで作成するだけでなく、現場の管理職にも状況を共有することが大切です。

届出前の時間外・休日労働には効力が及ばない

36協定は、労使で締結しただけでは十分ではありません。所轄の労働基準監督署へ届け出て、初めて法定時間外労働や法定休日労働を行わせるための要件を満たします。

たとえば、有効期間を4月1日からとしていても、実際の届出が4月10日になった場合、4月1日から9日までの法定時間外労働を36協定によって適法化することはできません。届出年月日を実際より前の日付にしても、効力が過去にさかのぼるわけではないため注意しましょう。

36協定がない状態で法定時間外労働や法定休日労働をさせると、労働基準法違反となり、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

未届期間中の勤務実績を確認する

提出遅れがあった場合は、未届期間における全従業員の勤怠データを確認します。確認しておきたい主な項目は次のとおりです。

  • 1日8時間・週40時間を超える法定時間外労働の有無
  • 法定休日における労働の有無
  • 時間外・休日労働の時間数
  • 割増賃金の計算と支払い状況
  • 長時間労働となった従業員の健康状態

36協定の届出がなくても、実際に行われた時間外労働や休日労働に対する割増賃金の支払いは必要です。ただし、割増賃金を支払えば、36協定がないことによる問題が解消されるわけではありません。

判断に迷う場合は専門機関へ相談する

未届期間が長い場合や、すでに長時間の時間外労働が発生している場合は、事業場を管轄する労働基準監督署へ早めに相談するのが適切です。勤怠記録、賃金台帳、就業規則、過去の36協定届などを整理しておくと、状況を説明しやすくなります。

提出後は、更新時期を労務管理カレンダーへ登録し、期限の2〜3か月前から準備を始める運用に変更しましょう。担当者が不在でも対応できるよう、提出手順や保管場所を社内で共有しておくことも再発防止につながります。

36協定の提出時に起こりやすいミス

36協定届を期限内に提出しても、使用する様式や労働者代表の選出方法に不備があれば、修正や再提出が必要になることがあります。特に、前年の書類をそのまま流用している会社や複数の事業場を管理している会社は注意が必要です。

提出前に、協定内容だけでなく、締結手続き、提出先、控えの保存まで確認しましょう。

有効期間が始まってから提出する

36協定は、協定の有効期間が始まる前に届け出るのが原則です。

4月1日を開始日としているにもかかわらず、4月に入ってから提出すると、届出前に行われた法定時間外労働や法定休日労働には協定の効力が及びません。

年度末は届出が集中するため、開始日の直前ではなく、数週間程度の余裕を持って提出することが大切です。

提出先の労働基準監督署を間違える

36協定届は、原則として対象事業場の所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。本社で一括して書類を作成していても、本社一括届出の要件を満たさない限り、すべてを本社の管轄署へ提出できるわけではありません。

事業場の移転や新店舗の開設があった場合は、提出前に管轄署を確認しましょう。

事業場単位で作成していない

36協定は、会社単位ではなく事業場単位で締結・届出を行うのが基本です。本社、支店、店舗、工場などが独立した事業場に該当する場合は、それぞれについて対象業務、労働者数、延長時間などを設定します。

各事業場の実態が異なるにもかかわらず、同じ内容を機械的に転記するのは避けましょう。

労働者代表を会社が指名している

過半数労働組合がない場合は、投票や挙手など、労働者の意思が反映される方法で過半数代表者を選出します。会社が特定の従業員を指名した場合や、親睦会の代表者を自動的に選んだ場合は、適正な選出とは認められません。

過半数代表者が適正に選ばれていないと、36協定自体が無効になる可能性があります。

協定内容に合わない様式を使っている

一般条項のみの場合と特別条項を設ける場合では、使用する様式が異なります。建設事業、自動車運転者、医師などにも専用の様式があるため、自社の業種や協定内容に合う最新版を使用してください。

控えを保存せず、更新期限も管理していない

提出後は、受付印のある控えや電子公文書、申請データを保存します。複数事業場がある場合は、次の情報を一覧で管理すると更新漏れを防ぎやすくなります。

  • 事業場名と管轄署
  • 有効期間と起算日
  • 提出日と提出方法
  • 使用した様式
  • 控えの保管場所

前年の控えは、次回の更新内容や提出期限を確認する資料にもなります。担当者の異動や退職があっても手続きを継続できるよう、保管ルールを統一しておきましょう。

36協定を期限内に更新するための管理方法

36協定には有効期間があり、期間終了後も時間外労働や休日労働を行わせる場合は、改めて締結・届出が必要です。更新忘れを防ぐには、担当者個人の記憶に頼らず、準備開始日から提出完了までを社内の定例業務として管理しましょう。

特に複数の支店や店舗がある会社では、事業場ごとの有効期間や提出状況を一覧化することが重要です。

有効期間の開始日をできるだけ統一する

事業場ごとに36協定の有効期間が異なると、更新作業が年間を通じて発生し、提出漏れの原因になります。運用上可能であれば、本社・支店・店舗などの開始日を統一すると管理しやすくなります。

ただし、既存の協定期間を変更する場合は、協定が途切れないよう注意が必要です。各事業場の勤務実態も確認し、無理に同じ内容へそろえないようにしましょう。

期限の2〜3か月前から準備を始める

36協定の更新では、残業実績の確認、協定内容の見直し、労働者代表の選出、労使間の協議、届出書の作成が必要です。提出期限の直前に着手すると、選出手続きや内容確認が不十分になるおそれがあります。

たとえば、4月1日を開始日とする場合は、1月から2月に準備を始め、3月中旬までの提出完了を目標にすると余裕を持って対応できます。

労務管理カレンダーに複数の期限を登録する

カレンダーには最終提出日だけでなく、更新作業の節目ごとに期限を登録します。段階的に通知を設定することで、担当者の業務が集中した場合でも更新漏れを防ぎやすくなります。

  • 3か月前:残業実績と次年度の業務見込みを確認する
  • 2か月前:労働者代表の選出手続きを始める
  • 1か月前:協定内容を確定し、届出書を作成する
  • 2週間前:労働基準監督署への提出を完了する

人事異動や担当者の休職などに備え、主担当者だけでなく、上司や副担当者にも通知が届く設定にしておくと安心です。

事業場ごとの提出状況を一覧で管理する

複数事業場がある会社は、拠点別の管理台帳を作成しましょう。最低限、事業場名、所在地、管轄署、有効期間、労働者代表、提出日、提出方法、控えの保管場所を記録します。

「作成中」「労使確認中」「申請済み」「受付完了」などの進捗も記載すると、申請しただけで受付確認を忘れるミスを防げます。電子申請の場合は、申請番号や電子公文書の保存先も登録してください。

更新時に前年の協定内容を見直す

前年の届出データを利用すれば作成時間を短縮できますが、そのまま複写して提出するのは適切ではありません。対象業務、労働者数、時間外労働の理由、延長時間、特別条項の必要性などを、直近の勤務実績に合わせて確認します。

更新を単なる書類提出として扱わず、長時間労働の削減や業務配分を見直す機会として活用することが大切です。

36協定は有効期間の開始前に余裕を持って提出しよう

36協定には、すべての会社に共通する提出期限が設定されているわけではありません。原則として、会社が定めた協定の有効期間が始まる前に、対象事業場を管轄する労働基準監督署へ届け出る必要があります。

たとえば、有効期間を4月1日から翌年3月31日までとする場合は、3月31日までに届出を完了させます。ただし、書類の不備や郵送の遅延、電子申請の混雑を考慮すると、期限直前ではなく、数週間前までに提出するのが安心です。

36協定を提出する際の要点は、次の3つです。

  • 有効期間の開始前に届出を完了させる
  • 原則として事業場ごとに所轄の労働基準監督署へ提出する
  • 窓口・郵送・電子申請から自社に合う方法を選ぶ

提出が遅れた場合、届出前に行われた法定時間外労働や法定休日労働へ、36協定の効力をさかのぼらせることはできません。労使間で協定を締結しただけで安心せず、労働基準監督署への届出と受付状況の確認まで行いましょう。

また、36協定は一度提出すれば終わりではありません。有効期間が終了した後も時間外労働や休日労働を行わせる場合は、毎年、協定内容を見直したうえで再締結・再届出が必要です。

更新漏れを防ぐためには、有効期間や提出日を事業場別の管理台帳へ記録し、期限の2〜3か月前から準備を始める仕組みが有効です。担当者個人の記憶に頼らず、社内カレンダーや電子申請のリマインド機能を活用し、継続的に管理できる体制を整えましょう。

Copyright © 社会保険労務士法人ステディ
PAGE TOP